森トラスト総合リート(8961)から分配金が入金されました 東京汐留ビルディングの時価が大幅下落

森トラスト総合リート投資法人(8961)から資産運用報告書が届きましたので、紹介したいと思います。

森トラスト総合リート第37期資産運用報告書

森トラストをスポンサーとする総合型J-REITです。取得対象としては東京都心部のオフィスを重視しており、地域別では東京圏が約8割、用途別ではオフィスが7割超をそれぞれ占める構成になっています。格付けもJCRから「AA」を取得しています。大規模な物件を複数組み込んでいますし、地方の物件はどれも競争力がありそうで心強いです。算定価額が帳簿価格を下回る物件は大崎の神戸製鋼の入居するビルのみです。神戸製鋼は業績不振でしたので、家賃の減額でもあったのでしょうかね。

森トラスト総合リートの評価

先ず、森トラスト総合リートは私の中では5段階で「B」評価のリートです。

A:大好きです(組成時からのポートフォリオは勿論、入居や退去テナントまで把握するくらい)

B:買いたいです(現状のポートフォリオやテナントを把握するくらい)

C:安くなったら買いたいレベル(現状のポートフォリオやテナントをラフに把握するくらい)

D:まあ買わないレベル(値動きはチェック)

E:絶対に買わないレベル(値動きはチェック)

 

東京汐留ビルディング

ポートフォリオの30%以上を占める東京汐留ビルディングは入居しているソフトバンクが竹芝へ移転するため、後継テナントを探さないといけないのですが、中々埋め戻しが出来ていないようです。一本足打法が悪い方に働いており(コロナを予想するのは困難でアンラッキーな面は多分にあります)、投資口価格が低迷しています。

ソフトバンクは2020年度中に竹芝へ移転する可能性があったはずですが、解約は2021年度6月末となったようです。コロナの影響で遅れているのかもしれません。
ソフトバンクの移転先はこれまた超大規模の新築ビルですが、竹芝にわざわざ移転する意味があるのでしょうか。設備に不満があったならばリニューアルしてもらえば良かった気がします。竹芝って何もないですよ。竹芝の再開発は実態以上に評価され過ぎている気がします。アトレは閑古鳥が鳴いております。ビオセボンはいつまで持つのだろうか。
ソフトバンクの解約についてのニュースリリースはこちら→保有する不動産の転借人に関するお知らせ

元々、ソフトバンクへ直接貸していたわけではなく、森トラストへ貸し、森トラストがソフトバンクへ転貸する形になっていました(森トラストとマスターリース契約を締結していた)。ソフトバンクが移転した後も引き続きスポンサーである森トラストとマスターリース契約を締結しています(2021年4月から2026年3月末までの5年間)が、賃料はサブリース契約の賃料によって変動する契約になっています。
マスターリース契約のニュースリリースはこちら→保有する不動産にかかる賃貸借契約の締結について(東京汐留ビルディング)

マスターリースの固定賃料が低いためからか、東京汐留ビルディングの期末の算定価額が前期比で220億(1340億→1120億)も下落しています。リートの1物件でこれだけの下落は滅多にありません。軽く事件レベルですが、気がついている個人投資家がどれだけいるかは不明です。

東京汐留ビルディングがどれかわからない方もいると思うので写真を載せておきます。右上の緑色のカーテンウオールのビルです。
東京汐留ビルディング

めっちゃ立派なビルです。立地も汐留駅直結ですし、新橋駅からも地下で濡れずに行くことができます(実質直結)。一流テナントを誘致出来るだけのポテンシャルのある物件です。競争力のある物件なので間違いなく埋め戻しは出来るはずですが、どれだけの条件で埋め戻せるのかであったり、テナントのレベルも気になるところです。東京汐留ビルディングのせいで森トラストリートの投資口価格が低迷しているのであれば、いずれこの問題は解消するので、ある意味今はチャンス目です。2021年のNISA枠で積極的に購入して良いリートと言えると思います。

補足情報ですが、東京汐留ビルディングの上層部にはCONRADが入居していることからも立派なビルであることは間違いありません。CONRADと言えば宮崎謙介氏ですね。

2010年に1100億円で取得して、現在の簿価は約1007億円です。原価償却のペースが遅い気がします。これまでに何かバリューアップしたのですかね。
(なお、「東京」のつかないただの「汐留ビルディング」というのも浜松町駅の前にあり、それはジャパンリアルエステイトとアクティビアリートが組み入れています。)

 

ひたすら東京汐留ビルディングについて語ってしまいましたが、一番気になる分配金は今期:3,832円第38期(予想):3,822円第39期(予想):3,000円です。
決算期は3月末と9月末です。この分配金予想は保守的だと思いますので、今後、東京汐留ビルのテナントが決まれば分配金のUPが見込めます。

 

新橋駅前MTRビル

東京汐留ビルばかりにフォーカスしましたし、皆さんフォーカスしていると思いますが、実は「新橋駅前MTRビル」も爆弾だと私は考えています。というより表面化していない爆弾はこっちです。表面化していない分、破壊力があると思われます。新橋駅前MTRビルはヤマダ電機系に一括で賃貸していますが、あの店舗は赤字でしょうからいつか解約されるでしょう。あのビルを良い賃料で埋め戻すのは結構大変だと思います。実は新橋駅の線路を挟んだ逆側に「A-PLACE 新橋駅前」というビルがあります。こちらはアクティビアリートが保有していて以前はヤマダ電機系列が入居していました。LABIではダメで免税店にしてもダメで、最後はTSUKUMOにしてもダメでヤマダは撤退しました。その後アクティビアリートは埋め戻しに苦戦し、東急不動産とマスターリースを締結しましたが、2019年11月に日本生命と東急不動産に売却(引き渡しは2020年3月)してしまいました。取得時期は不動産価格が今よりはるかに安かった2012年だったにもかかわらずほぼ帳簿価格での売却となってしまいました。2012年に都心にビル100棟購入していたら、値上がりしていないビルを見つけるのは至難の業なわけで本来は大幅な譲渡益が出るべき物件でした。物件選びは重要でしたし、売先が東急不動産と言うことで東急不動産にジャイアンされた感じです(物件を取り上げられた。リートが養分にされた。)。

 

森トラスト総合リートへのお願い

間違っても、東京汐留ビルディングを1120億+αという安値で森トラストに売却するようなことにはならないことを願っています。
鑑定額以上での売却なんだから文句ないだろう、というのは止めて欲しいです。鑑定額の下落は一時的な物なわけです。
それに仮に今、1100億でテナントがきちんと埋まっているようなビルを購入するとしたら、物件のレベルを相当落とすか、大幅に面積を縮小せざるをえなくなります。
森トラストの関連子会社に仲介手数料を無駄に払うだけです。

築地大橋から見た汐留ビル群  赤矢印が東京汐留ビルディング

ここ最近、無理な物件取得をしてこなかったことを私は評価していますが(広尾の中途半端なビルは何故購入したのだろうか?)、それだけに地震の前の静けさと言いますか何だか怖さを感じる今日この頃です。

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